ブランデーの高価買取

昨今、ブランデーの市場ニーズが高まっています。ブランデーの市場（※）は2020年に２１８億米ドルに達し、今後も成長を続ける見込みです。こうした需要の背景には、カクテル文化の普及があります。ブランデーは単体で飲まれるのはもちろん、カクテルにも使われるため各国の若い世代がバー等でカクテルを楽しむようになるとブランデーの需要も高まるのです。

世界三大ブランデー

ブランデーには次の通り、有名な世界三大ブランデーがあります。

• コニャック
• アルマニャック
• カルヴァドス

コニャックはフランスのボルドー地方北部にあるコニャック地方で作られるブランデーであり、2回の蒸留を経るためにすっきりとした雑味のない味わいが特徴です。コニャックはボトルに「XO」「VSOP」の文字が書かれている場合があり、これらは熟成年数を示します。「XO」は「Extra Old」であり、最低貯蔵期間が10年を超えるものに使われます。「VSOP」はVery Special Old Pale」の略であり、最低貯蔵期間が4年を超えるものに使われています。

コニャックとよく比較されるものにアルマニャックがあります。アルマニャックはフランスのボルドー地方の南部に位置するアルマニャック地方で作られるブランデーです。コニャックが2回の蒸留を経るのに対して、アルマニャックは1回の蒸留で完成するため、濃厚で、ワイルドな味わいになる傾向を持ちます。アルマニャックにも「XO」「VSOP」という熟成年数を示す文字が使われ、これらはコニャックの場合と同じ意味を持ちます。

コニャックやアルマニャックと違い、カルヴァドスはフランスのノルマンディー地方でりんごから作られるブランデーです。カルヴァドスを名乗ることができるのはフランスのノルマンディー地方で厳密なルールに則って作られるものだけであり、それ以外の地方でりんごから作られるブランデーはアップルブランデーと呼ばれます。カルヴァドスはりんごを用いて作られるため、りんごに由来する香りに特徴があります。ブドウを原料とするブランデーよりも酸味が穏やかな傾向もあるため、コニャックやアルマニャックとは違った楽しみ方ができます。

このようにブランデーは世界三大ブランデーを中心に人気のお酒です。以下では、需要のある銘柄の一部を紹介します。

レミーマルタン

レミーマルタンは1724年に創立された、約300年の歴史を持つ世界的に有名なコニャックのブランドです。創業者レミー・マルタンによって設立され、その後も家族経営が続けられ、一貫した品質と美味しさを提供し続けています。

コニャックとは、フランスのコニャック地方で生産されるブランデーの一種で、その産地は6つに分けられています。特に、ブドウの品質が最も高いとされる「グランド・シャンパーニュ」と「プティット・シャンパーニュ」のブドウだけを使用したものは、「フィーヌ・シャンパーニュ」と呼ばれ、その高い品質で知られています。レミーマルタンは唯一、これら最高級の産地であるフィーヌ・シャンパーニュからのブドウだけを使用してコニャックを製造しており、その高い品質にこだわりを持つ姿勢が大きな特徴です。

レミーマルタンは、「VSOP」と「XO」の2つの代表的な商品があります。VSOPは熟成年数4年から12年の原酒をブレンドしており、バニラとフルーティーな香りが特徴的で、ふくよかさと繊細さが調和した味わいが楽しめます。一方、XOは平均熟成年数10年から37年の300種類以上の原酒をブレンドし、レーズンのような甘美な香りと複雑な味わい、そして驚くほど長い余韻が魅力です。これらの製品からは、華やかで高貴な香りと深みがありながら洗練された味わいが感じられ、その高い味わいが多くの人々に愛されています。これらがレミーマルタンのコニャックが高貴なイメージを持ち、世界中のファンを魅了し続けている理由と言えるでしょう。

ヘネシー

ヘネシーは、世界最大のコニャックの造り手で、その製品は豊かな風味と高い品質で知られています。同社は、世界中のコニャック市場の約40％を占め、著名なブランド群であるモエヘネシーディアジオ（MHD）グループの一員として知られています。

1765年にアイルランド出身のリシャール・ヘネシー氏により創業され、以来、徹底した品質管理と妥協のない原酒選択が行われてきました。ヘネシーは、厳選された原酒を47万樽以上もストックしており、中には200年以上熟成したものも含まれています。

ヘネシーのブレンド技術は秘密に包まれていますが、その技術の精密さは、各製品の繊細な香りと滑らかな口当たりから伺うことができます。その味わいの一部は、厳選された原酒が樹齢100年以上のフレンチオーク製の樽で熟成されることによるものです。

ヘネシーのラインナップは多岐にわたり、VSからリシャールまで、原酒の選択やブレンド、熟成年数など、それぞれが異なる特性を持っています。例えば、熟成4～7年の40種類の原酒をブレンドしたVSは最も手頃な価格帯で、一方で最上級のリシャールは豊かな味わいとともに長い熟成期間が特徴です。

これらの製品は、その高い品質と手に入れやすいラインナップから、幅広い世代に親しまれています。ヘネシーの持つ豊かな風味と滑らかな口当たりは、まさにその卓越した技術と長年の経験から生まれた結果であり、その魅力は世界中の人々に愛され続けています。

カミュ

カミュは、1863年にフランスで創業された、現在では最大規模の家族経営ブランデーメーカーです。長い伝統と歴史を持ち、特に土壌にこだわり、コニャック地方で3番目に良いとされる「ボルドリー」地区の180ヘクタールに広がる自社畑を所有しています。

ブランデーの中でも特に評価されているのが、100%ボルドリ地区のブドウで作られた「カミュボルドリーXO」。その滑らかさと、紅茶やバニラアイスの香りの組み合わせが、コニャック愛好家から多大な賞賛を受けています。また、全体的にまろやかで滑らかな味わいのカミュブランデーは、口当たりの良さから日本人にも非常に好評です。

カミュの製品ラインナップは多岐に渡ります。エントリーレベルからプレミアムまで、多様なニーズに応える製品が揃っています。代表的なものは「カミュVS」、「カミュVSOPエレガンス」、「カミュXOエレガンス」、「カミュボルドリーXO」、「カミュエクストラエレガンス」などです。

特に、「カミュXOエレガンス」は、ブランデーラインナップの中で最も親しみやすく、口当たりの良さとコスパの良さで評価されています。紅茶のような香りと、まろやかな口当たりは他のブランドと比べても優れており、カミュブランデーへの入門として最適な製品です。

ブランデーは長い歴史と独自の技術により作られる、洗練されたスピリッツです。特に、カミュのように品質へのこだわりを持つメーカーが作るブランデーは、それぞれの特徴と個性を持ち、楽しむ者に多彩な体験を提供します。

ブランデーの人気銘柄

ブランデーには様々な銘柄があり、それぞれ違った味わいを持っています。ここではコニャック、アルマニャック、カルヴァドスに分ける形でそれぞれの有名銘柄を紹介します。

コニャックとして有名な銘柄には次のものがあり、ボトルにXO、VSOPと記載されたものは中古市場においても人気です。

ヘネシー
レミーマルタン
カミュ
マーテル
クルボアジェ

アルマニャックでは、次の銘柄が人気です。こちらもXO、VSOPの表記があるものは買取価格が期待できます。

ジェラス
シャボー
マルキ・ド・コサード・ナポレオン

りんごから作られるカルヴァドスでは、次の銘柄が人気です。

マスネ
シャトー・ド・ブルイユ
ブラー

いずれのブランデーも状態が良く、熟成年数が長いものに高い買取価格がつく傾向があります。ご自宅に不要なブランデーコレクションがある場合、ぜひとも査定してみてください。

※株式会社グローバルインフォメーション「ブランデー市場：世界の業界世界の業界動向・シェア・市場規模・成長・機会・予測 (2021～2026年)」